家事事件

離婚及びそれに伴う問題
(慰謝料・養育費等)
遺産分割 遺言書作成 成年後見・任意後見

家族間や親族間の事件のことを総称して「家事事件」と言います。
家事事件は、金銭や契約のトラブル以上に、プライベートな問題であることが特徴です。また、身内のことですので、できるだけ後々に禍根が残らないような配慮をする必要があり、知識と経験が必要となります。
家事事件は交渉の他、家庭裁判所での調停や訴訟などにより解決を図ります。ご依頼を頂きましたら、交渉から調停・訴訟まで、最後までサポートいたします。≪以下に代表的な家事事件について記載しておりますが、以下に記載のない家事事件についても、お気軽にご相談ください。

1 離婚及びそれに伴う問題(慰謝料・養育費等) 〈解決の流れ〉

離婚調停とは,家庭裁判所での話し合い手続のことです。当事者間の直接の交渉ではまとまらない場合でも,調停委員が仲立ちする調停手続では前向きに進んでいくこともあります。調停がまとまったら,合意した内容は「調停調書」という公的な書類になり,そこに記載された内容は強制執行ができることになります。

調停がまとまらない場合は離婚訴訟を起こすことができます。
なお、離婚をする場合には、原則として、調停をまず行った上でなければ裁判をすることは出来ません(調停前置主義)。

〈離婚条件に関する問題〉

(1)親権
未成年のお子様がいる場合、どちらがお子様を引き取るのかという大きい問題があります。また,親権者にならなかった方の親が,どのような条件で子どもに面会する(面会交流・面接交渉)のかも離婚の際に決めておくことが大切です。

(2)慰謝料
一方の有責行為(浮気や暴力)によって離婚に至った場合、慰謝料を請求することができます。

(3)財産分与
婚姻中に築いた財産は、どちらの名義であるかを問わず、夫婦の共有財産として清算することになります。財産分与の対象がどこまでか、分与の割合はどうなるのかなどの争いが生じます。

(4)養育費
お子様を養育する側が相手に請求できます。お子様の年齢、人数、双方の収入などによって金額が変わってきます。

(5)婚姻費用
離婚に向けた別居期間中でも生活費の請求をすることができます。

(6)年金分割
厚生年金・共済年金は,2階建て部分の納付済保険料を分割することができます。年金分割に当たっては、年金事務所に「年金分割のための情報通知書」を請求した上で、分割の割合を話合うことになります。

2 遺産分割

財産(積極財産だけでなく、消極財産(債務)も含む)をお持ちの方がお亡くなりになった場合、残された財産(遺産)を相続人で分けることになります。
遺産相続の割合は法律で決められた法定相続分が原則ですが、相続人全員の協議で自由に分けることができます。この話し合いを遺産分割協議と言います。
遺言書がある場合は遺言書に従います。ただし、最低限の取り分である「遺留分」を侵害することはできません。
これらの手続は親族間の激しい争いが生じやすい上、期間制限があったり、税金の問題が生じたりするなど問題点が多く、専門家の関与が極めて重要となります。
遺産分割では、相続人間で話合いがまとまらない場合には、遺産分割の調停を申し立て、調停でもまとまらなければ審判によって解決されることとなります。

3 遺言書作成

仲の良かった家族であっても、相続財産の分割をめぐって争いが生じてしまうこともあるかもしれません。そのような、後に残された相続人間で、相続財産について、無用の紛争を避ける為にも、生前に遺言書を作成しておくことをお勧めします。
もっとも、遺言書の書き方には厳しいルールがあり、これを守らないと、せっかく遺言書を作っても無効になってしまう恐れがあります。
また、遺言書の内容によっては、相続人の「遺留分」を侵害する内容であれば、相続人間での紛争のもとになりかねません。
このように、遺言書の形式的部分・内容的部分において、専門的な判断を求められます。
遺言書の作成をご検討されているのであれば、ぜひ一度弁護士にご相談下さい。

4 成年後見・任意後見

(1)成年後見
成年後見とは、認知症、知的障害など精神上の障害により、判断能力が十分でない方のために、家庭裁判所に選任された成年後見人が財産管理や身上監護を行う制度です。
年齢や病気などにより認知能力が低下し、ご自身で財産管理ができなくなった場合、身内の一人がその方の財産管理をしたりすると、管理がルーズになったり、他の親族から批判を受けたりするなどの問題が起きますし、法律上も問題です。特に不正な出費は、横領罪にも該当しかねません。
このような場合は、ご本人に代わって成年後見人が財産管理を行う必要があります。成年後見人は,本人の代理人として,本人のために,本人の財産を管理処分することになります。
成年後見人を選任するためには,家庭裁判所に,後見開始審判を申し立てなければなりません。
また、法的判断能力が著しく低下しているといえないまでも、本人に財産管理・処分が出来ない部分があるという場合には、保佐人若しくは補助人選任の審判を申立てることができます。

(2)任意後見
任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。
任意後見契約には,将来型(将来,認知能力が低下したら後見を開始する内容),移行型(現時点から財産管理を委任し,認知能力が低下したら後見に移行する方法),即効型(なんとか任意後見契約は締結するだけの認知能力があるが,財産管理は困難という場合,直ちに任意後見を開始する内容),の三つの類型に分かれます。

老後の財産管理については、判断能力が低下してからの生活やご家庭の家庭状況に大きく影響を及ぼすものであるため、適切に管理していく必要があります。

当事務所では、後見開始の申立てや任意後見契約手続の代理など、各種関連業務を取り扱います。どのような手続きを採るべきか、お気軽に御相談下さい。