インターネット被害事件

プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置 投稿記事削除依頼・削除請求 損害賠償請求(プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示)

現代社会において、インターネットは、情報発信手段・情報収集手段として今や欠くことの出来ない道具となりました。
しかし、インターネット上では、大量の情報が日々飛び交い、中には、自らの情報を開示しない匿名での掲示板なども存在します。
そのようなインターネット上で、自分の個人情報がいつの間にか流出している、あるいは、人に知られたくないような情報が勝手に流出しているなどという被害が全国的に非常に多くなってきています。
このように、自己の個人情報のインターネット上での流出を阻止し、場合によっては情報発信者に対して名誉毀損・プライバシー侵害に基づく損害賠償請求を行うことが考えられます。

1 プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置

インターネット上で自己の情報が流出した場合、まず、プロバイダ(インターネットに接続するサービスを提供する業者)に対して、発信者の記載情報が著作権侵害もしくは個人情報の権利侵害であると申し立てて、プロバイダを介して、発信者に、当該情報を自主的に削除するように促します(これを、「迷惑防止措置」と言います。)。
プロバイダ責任制限法上、迷惑防止措置を行った場合、プロバイダは、発信者に対して、権利侵害の申立があった旨を通知します(権利侵害が明らかである場合には、発信者に情報を照会することなくプロバイダが直接その記事を削除することもあります。)。プロバイダからの照会に対して、発信者が7日以内に反論を行わなければ、プロバイダ責任制限法に従って、当該記事は送信防止措置(削除)をとることになります。

2 投稿記事削除依頼・削除請求

匿名での投稿サイトなどでは、管理者が任意での削除に応じない場合があります。その場合には、裁判(仮処分)による削除請求を行うことになります。

3 損害賠償請求(プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示)

著作権侵害や、名誉棄損等個人情報の投稿・記載が悪質であって、権利侵害が明らかであるにもかかわらず、発信者が管理者の削除要請に応じないような場合には、発信者に対して、著作権侵害、名誉毀損・プライバシー権侵害による損害賠償請求を検討します。
インターネット上で権利侵害が存在する場合、プロバイダ責任制限法に基づき、プロバイダを開示するように請求します。
IPアドレスはいわば「インターネット上の住所」です。そこから、より具体的な発信者の個人情報(住所等)の開示請求を行います。
このような手続を行うことで、発信者の氏名・住所等が把握できれば、民事訴訟において、損害賠償を請求することになります。